ゼミの後輩”H田"に彼女を作らせるには
人の心配より自分の心配をするべきである。
しかし、私が彼氏を作る方法を見出すには、相当な時間を要する。"H田"もなかなかの曲者な為、相当な時間を要する可能性があるが。自分自身の場合を考えた時に、「卵子からやり直す」とかいう結論に至ったら、ちょっと色々考え込んでしまうので、まずは他人の事を例に出して考えてみようという、まあ、あれだ、ただ暇なだけである。
"H田"は同じゼミの3年生の後輩だ。
ゼミ内では、完全にいじられキャラである。何をしても笑われる。お茶を飲んだだけで笑いが取れる。笑いのコスパ最強。幹事になるとすげえ張り切る。飲み会当日、幹事としてか知らないが、ラインの通知がうるさい。ハッピー野郎だ。
”H田”
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彼は現在、合コン15連敗中であり、「正直顔可愛かったら付き合いたいですよ!」「女の子皆可愛いから困るんすよ!」「もう僕わかんないんすよ!」と完全に路頭に迷っている。見ていてとても面白いので、犯罪を犯さない程度にもっと迷えと思っている。
彼女彼氏途切れた事ありません♡また告られた〜♡という恋愛マスターに彼女を作る方法を考えてもらうならまだしも、恋愛非マスターの私に考えてもらうとは、"H田"の気持ちを察する。控えめに言って、”小さな親切大きな迷惑”だろう。
だが、無視だ。
押し売りが必要な時もある。とか色々言っているが、まあ、あれだ、ただ暇なだけである。
彼女を作るプロセスは、
「出会う→コミュニケーションを取り合う→告白→付き合う」
という感じか。
出会う→付き合うというジローラモ的展開は考えない。"H田"がジローラモになるには、長い長い年月が必要だ。長い年月をかけても、なれるかどうかかなり怪しい。そもそもジローラモになるという発想自体、ナンセンスだ。"H田"は"H田"であり、ジローラモな"H田"になって彼女ができたところで、"H田"は息苦しいだけではないか。第一にジローラモな"H田"は気持ち悪すぎる。きもたん過ぎる。却下。
まずは、ファーストステップである「出会い」について考えてみる。
これに関しては、"H田"はノープロブレムだ。合コン最低週1回は足を運んでいるし、むしろ自ら積極的に出会いの機会を掴み取っている。なんなら自ら合コンをセッテングするのもしばしば。機会を掴み取るだけでなく、自ら機会を創り出している。「出会いがなくて困ってる」という輩は、彼を見習って欲しい。機会製造マシーンの彼を。早く合コンをセッテングするのだ。そして、私を呼ぶのだ。
もっと「出会い」の数を増やせば良いのでは?
うむ、確かに、数打ちゃ当たるという言葉もある。しかし、彼は数を打ちまくっている。なんなら数しか打っていない。獲物に向けて打つならまだしも、獲物がいない大草原に向かって、バコバコと打っている可能性がある。憐れみで涙が出てくる。これ以上彼に数を打てと言うのか。過労死してしまう。お金も底をつき食うこともできず餓死してしまう。
もっと「出会い」の質を向上させればよいのでは?
うむ、確かに、80過ぎのおばあさんと21歳の童貞ボーイが出会っても恋愛へ発展する可能性は低い。しかし、彼は自分自身の付き合いたい対象である「同世代」への接触に毎回成功している。その「同世代」も概ね同世代と付き合いたいと思っている。需要と供給マッチ!問題無い。としておこう。なんだかどうでもよくなってきた。さっさと次いこう。
次は「コミュニケーションを取り合う」について考えてみる。
ここに問題がありそうだ。
このコミュニケーションを通じて、お互いが両思いになり、告白することで彼女をGETできる。コミュニケーションがうまくいかないと、彼女をGETできない。もうそういうことにしておこう。
どうやら"H田"は、出会った女の子とLINEでのやりとりにまではたどり着いているらしい。しかし、2人で遊ぶに至らないらいという。女の子が2人で会う事を拒むそうだ。
ここだ。
もうここでいい。ここに問題点がある。
どうでもよさがピークに達しそうだ。早く結論を出して、銀魂を読み直したい。
そこでLINEのやり取りを見てみる。
そこで衝撃的な事実に出会う。
いつも使う絵文字が「クロワッサン」なのだ。
クロワッサン...
クロワッサン...???
クロワッサン...!!????
オージーザス...
私自身もクロワッサンは大好物でよく食べているのだが、LINE上で登場する”クロワッサン”はいくらなんでも解読レベルが高くはないだろうか。
「おはよう(クロワッサン)」
まあこれは、朝ごはんクロワッサンだよ、という意味だろう。正直、その報告は要らない。
「楽しかったよ、ありがとう(クロワッサン)」
クロワッサンに込められている意味は何だ。
ありがとう、お礼にクロワッサンあげるよという意味なのか。それとも、楽しかったしまた次クロワッサン食べに行こうよという意味なのか。はたまた、楽しかったけど、クロワッサンのように中身スカスカの時間だったし、もう会うことはないだろう、ありがとう、という意味なのか。ひどい野郎だ。
そういえば、ゼミのグループ LINEでもクロワッサンを使っていた。
ちなみに、これはゼミの皆にかまくら作りを呼びかけている時だ。
「(一緒にかまくら作りましょう)みなさんお待ちしてます(ニコニコ)(クロワッサン)」
レベルが高すぎる。
私もその場にいたが、"H田"はクロワッサンは持っていなかったから、「クロワッサンと共に待っているよ、皆で食べようよ」という意味ではない。
皆が来ても「クロワッサン買ってこいよ」と誰かをパシらせる行動も見られなかったし、「待ってるから、クロワッサン買ってこいよ」という意味でもない。
難しすぎる。
こんな解読不可能な絵文字を送られてきては、女の子は混乱してしまう。ましてや、こんな不気味なクロワッサンの絵文字を送り続けてくる男と、2人でご飯に行くなんて、以ての外だ。
よって"H田"が彼女を作るには、
クロワッサンの絵文字からの脱却が必要不可欠だ。
彼には、クロワッサンの絵文字への並々ならぬ熱い想いがあるだろうし、少々酷な話かもしれない。
どうしても嫌だというならば、いかなる時もクロワッサンの意味を解読できる、高度な読解力を持った女性を見つけるか、いっそのことクロワッサンと付き合えばいい。食欲が爆発したら終わりだ。彼女を殺しかねない。
そんなことより、クロワッサンの絵文字を使わないようにする方が話が早いし確実だ。だし、もうちょっとどうでもいい。だから、
"H田”よ、クロワッサンの絵文字から脱却するように。
頑張れよ。
銀魂読も〜〜〜〜〜〜〜〜っと。